アジア人の頭髪は、毛幹の断面積が白人の髪よりおよそ四分の一大きく(4,804に対して3,857 µm²)、密度はおよそ四分の一低い、cm²あたり175本に対して226本です。断面の形は主要な三つの毛髪型のなかで最も円に近いものです。これらは査読済みの文献に載った実測値であって、宣伝文句ではありません。そして二つは逆向きに働きます。株一つあたりで覆える面積は増え、採取できる株は減るのです。変わるのは器具と計画です。毛幹の太さに対するパンチ径、血流に対する移植密度。変わるかどうか分からないのは、結果が良くなるかどうかです。ある毛髪型に合わせて調整されたプロトコルは、そのまま移すのではなく調整し直す必要がある。主張はそれだけです。
平均値と標準偏差は公表されたままのものです。当社自身の計測は一つもありませんし、結果についての記述も一つもありません。
一つ目の数字は注意して読んでください。素直に読むと間違えます。アジア人と白人の毛幹の面積の差はおよそ25%で、パンチを選ぶうえで知る価値があるのはこの数字です。ただし面積は幅の二乗で増えますから、直径の差はおよそ12%にすぎません。顕微鏡で実際に見えるのはこちらであり、図が数字の響きほど劇的に見えない理由でもあります。アジアの髪を幅で五割も太く描いた図があれば、それは面積の数字を幅として描いてしまっています。
二つ目の数字は、誤差の幅とあわせて読んでください。平均はcm²あたり175本に対して226本ですが、公表されている標準偏差は±54と±73、それぞれ平均のおよそ三分の一にあたり、両者は大きく重なっています。つまり集団の平均は違っていても、あるアジア人の頭皮が、ある白人の頭皮より密であることは十分にありえます。これは逃げ道ではありません。計画が民族ではなくあなた自身の実測ドナー密度から引かれる理由であり、計測より先に株数の上限を提示すべきでない理由です。
| 指標 | アジア人 | 白人 | アフリカ系 |
|---|---|---|---|
| 毛幹の断面積 | 4,804 ± 159 µm² | 3,857 ± 132 µm² | 4,274 ± 215 µm² |
| 毛髪の密度 | 175 ± 54 /cm² | 226 ± 73 /cm² | 161 ± 50 /cm² |
| 伸長速度 | 411 ± 53 µm/日 | 367 ± 56 µm/日 | 280 ± 50 µm/日 |
| ドナー部の毛包単位密度 | 61–63 FU/cm² | 65–85 FU/cm² | 三者のなかで最も低い |
一行目から三行目: Leerunyakul K, Suchonwanit P. Asian Hair: A Review of Structures, Properties, and Distinctive Disorders. Clin Cosmet Investig Dermatol. 2020;13:309–318 (Table 1), https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7187942/. 四行目: Keene SA, Rassman WR, Harris JA. Determining safe excision limits in FUE. Hair Transplant Forum Int. 2018;28(1):1–11, https://www.ishrs-htforum.org/content/28/1/1.2. 閲覧日 2026-07-28。
パンチ径は毛幹の太さに合わせて選ぶものであって、一つの既定値を当てはめるものではありません。平均断面積が大きいことは、その選択を他所で較正されたプロトコルから引き継げない理由そのものです。移植密度、つまり株どうしが血流を奪い合わずにどこまで近づけるかは、実際に使えるドナーの量に合わせて計画します。そして上の表の四行目こそ、最も重く効いてくる制約です。cm²あたり61–63毛包単位に対して65–85ですから、採取できる量は測れるほど少ないのです。どれも新しい技術ではありません。施術のページで説明しているFUEとDHIそのものを、違う入力で計画するだけです。このドナーの制約が実際に何を意味するかはドナー部の容量にまとめてあります。
もうありません。アジア人の頭皮では毛がより急な角度で出てくる、という話は広く語られていますし、少し前までは当社も書いていました。ところが文献にあたってみると、上に挙げた査読済みの総説が数値で示しているのは毛幹の寸法、密度、伸長速度だけで、出射角にも毛包の深さにも頭皮全体の毛髪数にも触れていません。角度の主張について見つかった出典は、どれも誰も引用していないクリニックの宣伝ページでした。ですから繰り返すのをやめ、削除しました。黙って消さずにここに記しているのは、出典を求めるべきだと説くサイトなら、自分の出典が存在しなかったときに何が起きるのかを見せなければならないからです。
毛幹の断面積、密度、ドナーの量の違いは文献に記録があり、上に出典を挙げました。それに合わせてプロトコルを調整し直すことが患者にとって測れるほど違う結果を生むかどうかは、また別の主張であり、当社は臨床文献のレビューでも提携クリニックの症例データでも確認していません。確認できるまで、このページはアジアの髪について当社の結果のほうが良いとは書きませんし、欧州の髪を前提に作られたクリニックにアジアの髪は扱えない、とも書きません。どちらも現時点で裏づけられない主張であり、どちらかを断言することは、まさに当サイトが反対するために存在している未検証の約束そのものになってしまいます。
その確認が済んだら、アジアの髪についての提携クリニックの症例数を、体験談ではなく件数として示す予定です。体験談は、いずれにせよ韓国の法律が公開を禁じています。それまでは、このページにお見せできる件数はありません。
アジアの髪では自分たちの結果のほうが良い、とクリニックが言いながら、それをどう測ったのかを示さないのであれば、当社がここで自分に向けているのと同じ質問をしてください。今日確かめられるのは、誰が採取を行うのか(パンチを握るのは誰かを見る)と、株が生着しなかったときにどうなるのか(再手術の条件を見る)の二つで、いずれも渡航前に書面で決めておくものです。髪質の問いが最終的にどう決着するかとは関係なく、そうしてください。